コリと痛みとストレッチ、逆転の発見

クソマジメな話ばっかりしているので堅苦しいやつだと思われているでしょうがその通りです、はい。気楽な話も書きたいなー、と思っていて、すぐ思いついたのは腰痛の話。

もともと猫背気味で、小さいころに本ばっかり読んでいたので目も悪く、二十歳頃には肩こりに悩みだしていた自分ですが、年々、身体の状態は良い方向に向かっています。いろいろ気をつけるようになったり、生活を変えたりしているんですが、その中でも特に簡単にできて目からウロコだったのがこの「腰痛を和らげる体操」です。

体操といってもストレッチのようなもので、立って後ろ1メートルくらいのスペースがあればできます。効果が期待できるのは、

  • 腰骨のすぐ上の筋肉・筋膜が痛む
  • 背中を丸めていることが多い
  • 痛める、つるなどして炎症を起こしていない
  • ストレッチをやったが効果がない
  • ヘルニアなどの痛みではない

という人です。

手順は次の通り。

  1. まっすぐ立つ
  2. 片ひざをあげ、ひざとつま先が水平になるように足を持ち上げる
  3. 水平にしたひざ下をそのまま後ろに伸ばして行く
  4. 上げた足の付け根にあたる腰の筋肉が縮んで、
    少し力が入った状態を8秒ほどキープ
  5. ゆっくり戻す

これを左右両方、3セットほど繰り返します。これだけ1。ヨガやストレッチをやったことがある人なら、呼吸も合わせるといいですね。伸ばしてキープする時間を息を吐くのに使うわけです。

これはいったい何をしているかというと、ストレッチの逆で、筋肉を縮めているんです。

ちょっと話がずれますが、自分は長年ダンスをしてきた流れで、ストレッチというものに対してある意味「信仰」のようなものを持っていました。ところがですね、あるときSymbolismのタクヤくんと話していたときに、「練習前にストレッチ、しないですねー。ケガもしませんよ」と言われてちょっと衝撃を受けたわけです。その後、さらにTarzanだったかCourrier Japonかの雑誌で、運動前のストレッチはケガを増やすという研究があるということを知りました。

そこから書籍をあたったり、ジムのトレーナーに質問した結果、まず大きな動きで強度は軽めの運動をして身体を温め、その上でストレッチをすると効果が高いこと、運動前のスタティック・ストレッチ2は筋肉をゆるめてしまい、逆に怪我をする確率が上がるということがわかりました。

ということで、基本、スタジオに入る場合は「アイソレーション/リズムどり」→「ストレッチ」→「踊る」という流れでやっています。スタティック・ストレッチは筋肉や腱をゆっくりと伸ばして、可動域を広くしたり筋肉を緩める効果があるので、身体を動かした後にやる方が効果的な場合も多いですね。

このスタティック・ストレッチって慣れると気持ち良いんです。だから自分はたいして考えもせず、肩こりや腰痛の箇所も良かれと思ってさんざん伸ばしていたんですが、痛みはなくなりませんでした。それもそのはず、日常的にパソコンに向かうのが当たり前の日々で猫背、背中を丸めている姿勢では、普段から首、肩、背中の筋肉を伸ばしっぱなしにしていたのです。筋が伸ばしっぱなしになることで、逆に凝ってしまう。体重を支える力が弱まる。血行が悪くなる。筋を痛める。こういう仕組みになっていたんですね。

そこで、上記の「縮める体操」です。
これも具体的なやり方は書籍で知ったんですが、その本は行方知れずでタイトル失念……。実際にやってみるとあまりにもすぐ効果が出たので驚きました。肩こり、首の痛みなどにも、この「縮める」という方法は効果が高くておすすめ。ポイントはストレッチの場合と同様、他の部分に力を入れず、痛い部分の筋肉に意識を集中して縮めること。その間、呼吸を止めないことです。

ということで、唐突にめちゃめちゃテクニカルな話を書いてみました。慢性的な痛みがある方はぜひ、無理はせずに試してみてください。身体の話でテキストのみってどうなの、という話もあるので、もしリクエストがあればgifなり動画なり準備しますね。

  1. あくまで慢性的な腰痛対策なので、いま既に腰を痛めていて、炎症を起こしている人はやらないでください。湿布をはって寝て、タオルなどで支えて動かないのが一番。
  2. 静的ストレッチ:ダンスの世界で一般的な、長座とか開脚とかのアレです