スタバって大丈夫? – コーヒー好きの抱える悩み

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コーヒー好きですか?

僕は大好きです。特に南米系やエチオピア産の酸味の強いタイプのドリップと、カプチーノ。紅茶がいい日もありますがほぼ毎日飲みます。去年からあんまり外に出かけないように生活しているんですが、それでも外出が必要なことはあるわけで、そんな時に最低限おいしいコーヒーが飲めるのはStarbucks、以下スタバです。

コーヒー好きにとっては比較的おいしくてあまりうるさくもない居心地よい環境を提供してくれる彼らに、食品の中身の部分では安心してお金を払って良いのか、というのは気になってしまうわけですよ。
スタバって大丈夫? っていう。

そこで、直接聞いてみました。

実は原材料などについてスタバに質問するのは初めてではありません。
行く店が決まっていた頃には、

  • フェアトレード商品が減っていっているのはなぜか
  • 牛乳の産地は?

なんていうことを何度か聞いていました。

現場の人からは、「なぜフェアトレード認証を辞めていくのかはよくわからないんですけど、コーヒー生産農家とより良い形での契約をしているということです」「東京では埼玉県産ですね(タカナシからスターバックス・ミルクへの変更後)」という返答で、自分なりに調べてみた範囲で、「まだマシ」と判断して通ってきました。

ちなみに競合のタリーズはフェアトレードの豆中心、牛乳は北海道産です。
でも味とサービスが好きではないのですよね……。

そこへもってきて昨年、米Starbucksが「悪名高いモンサントによるGMO産品表示義務化への反対運動に名を連ねている」というスキャンダルが報道されましたが、こちらは公式に否定されています。でもその時の記事が未だにシェアされてきて、「スタバ怪しくない?」とかいう話がでてくると悩ましいわけです。

同じく米Starbucksがイスラエルに資金を流してるとかそういう陰謀論はうっちゃっておくということで問題ないわけですが、遺伝子組換えの実験台になったり、放射能汚染で迷惑を被るのはまっぴらですから。

ということで、せっかくなので電話してみました。

質問は

  • 使用している牛乳の産地はどこか
  • 生乳を取っている牛の飼料はなにか
  • ソイミルクの原産地はカナダ・アメリカで非GMOに限っているというのは事実か

の3点。

よくあるカスタマーサービスとは異なり、大して待つこともなく電話がつながり、とても人当たりの柔らかい声の女性が応対して下さいました。ただし正確に答えるのに時間がかかる、とのことでその場では終了。

そして待つこと3営業日。
電話がかかってきました(2015年6月25日)。

まずひとつめ、牛乳の産地。
以下、電話口で聞いた順番です。

  • 北海道
  • 岩手
  • 栃木
  • 千葉
  • 神奈川
  • 岡山
  • 広島
  • 島根
  • 鳥取
  • 福岡
  • 佐賀
  • 長崎
  • 熊本
  • 大分
  • 宮崎
  • 鹿児島
  • 埼玉
  • 茨城
  • 山形
  • 群馬
  • 宮城
  • 福島、出荷制限地域以外

※無脂肪乳は北海道限定、また関東地方の店舗についての情報

これらの産地の生乳は一部で言われるようにミックスされて「スターバックス・ミルク」となるわけではなく、各産地(業者)ごとにパックされており、どこの産地のミルクを使っているかはそのときどき、場所で違うとのこと。

ということはゆる放射脳(笑)な自分の場合、飲んではいけないものになってしまいます。それを避けるためには、無脂肪乳かよ!という味を犠牲にする話になるわけですね。

気を取り直して、2つ目。
生乳を取っている牛の飼料はなにか。

まあ予想通りというか。

牧草、コーン、大麦、米ぬかなど、こちらも業者、産地、時期によって変わります。ただし、各生産者の飼料は独立行政法人肥飼料検査所の基準に従ったものになります。

というお答え。まあそうですよね。
この飼料というやつが問題でして、人が食べるものより当然基準が緩いことが予想されます。飼料のなかでもコーンの占める割合が世界的に高く、そのコーンはいまやGMO品種だらけ、というお話は素晴らしい記事が多いガメさんのブログから「プラスチックミート文明」をお読みいただければと思います。牧草のみで育った牛さんは“Grass Fed”などと呼ばれ、より安心度が高いものになるんです。

ちなみに当然「独立行政法人肥飼料検査所」というのを調べてみたんですが、2007年に「独立行政法人農林水産消費安全技術センターの一部門に移行」してますからお答え間違ってますよね……。まあ揚げ足取りはいいんですけど、その独立行政法人農林水産消費安全技術センターのサイトを見てみました。


「なお、遺伝子組み換え飼料を食べた家畜から得られる肉、乳、卵などの畜産物を食べても大丈夫かどうか、ヒトへの安全性の評価については、食品安全委員会において行われています。」

面妖な。引き続きそちらの資料を見てみました。

それによると、遺伝子組み換えを施された品種も飼料として認可されるのですね。

  • (a)一般的に、挿入された遺伝子若しくは当該遺伝子によって産生されるタンパク質が肉、乳、卵等の畜産物中に移行するということは報告されておらず、また、害虫抵抗性、除草剤耐性、ウイルス抵抗性、抗生物質耐性などの形質が付与されるものについては①のみならず、②、③の可能性も考えにくいことから、当該飼料若しくは飼料添加物を摂取した家畜に由来する畜産物には通常安全性上の新たな問題は生じないと考えられる。
  • (b)また、食品としての安全性評価が終了した遺伝子組換え食品については、当該遺伝子が作るタンパク質等の安全性が既に評価されていることから、その成分が家畜において有害物質に変換・蓄積されること等を疑う合理的理由がない限り、これを摂食した家畜由来の畜産物について安全上の問題はないと考えられる。なお、食品としての可食部以外の部分についても、家畜が摂食することを十分考慮し、必要な場合には、資料を求めるものとする。

飼料としての安全性評価│遺伝子組み換えの家畜飼料への影響│日本の遺伝子組み換え|バイテク情報普及会

というわけで、安全か危険かも長期的には不明なGMOコーンをぱくぱく食べて育った牛さんのお肉や牛乳が、我々の食事に既に届いている可能性大。ということを改めて確認する結果になってしまいました。害のある物質は肉、乳、卵には移行しないと言い切られちゃってますので、きっとやりたい放題でしょう。

さて、気落ちしたところで(?)みっつめ。
ソイミルクの原産地はカナダ・アメリカで非GMOに限っているというのは事実か。

これは正しいそうです。
豆乳派は安心、ということですね、お腹にも優しいし。でもアイスならともかくホットではまだ慣れないんだよなあ……。

そもそも紅茶か中国茶ばかりだった自分がコーヒーを好きになったのはかつての職場の近くにスタバがあったからで、いまこの豊かな世界を知るきっかけをもらったブランドですから、より安心して飲めるようになってほしいものです。と思ったので、電話口では明るく「ずっとスタバ好きで飲んでる人間が、Grass Fedの牛乳にしてほしいな、と思っているということは意見としてお伝え願えますか?」と言っておきました。

結果としての評価は。
グレーですね。
日本人の大好きな白黒つけないグレー。

1点目は放射脳な人はスタバでミルク禁止ってことで解決。どうせフォームミルク作るのどんどん下手になってるし。でもせっかくなので、お店に行くたびに「今日の牛乳ってどこ産かわかりますか?」くらい聞いてみようかなあ。その上でドリップを頼む、みたいな。性格悪すぎですかね(笑)?

2点目の、「家畜の飼料がヤバイ」問題はもうスタバどころじゃない問題だともうので、引き続き調べられるところは調べていこうと思います。

まとめてみると「 スタバってあんまり大丈夫じゃないかも…… 」という残念な結果になってしまいました。
おいしいコーヒーを安心して飲みたいなー、というのも既にとても贅沢なことになっているんですね。

ホントはスタバ応援記事を書きたかったのにな、こんなことになるとは……南無。