2015年6月2日、今日、為替相場でドル円が1時125円を付けました。
これがどういうことか、ちゃんとした説明があまりにもされていないと感じるので、素人なりにまとめてみようと思います。
いま、日本は「売られて」います。
「売国」という言葉がぴったりです。
どういうことか。
例えば、東京で何とか家族が暮らせるサイズのマンションが3000万円だったとしましょう。これがドル円が100円だった時1には、30万ドルです。
これが125円の基準ではいくらか。
24万ドルです。20%オフ! 6万ドルも安いぜ!(アホ)
もしドル建てでお金を持ってる人がいたら、「安くなった!」と感じるのも当然です。
最近、不動産系の記事で「東京の新築マンションは割安だから買い」というものがありましたが、「円でない通貨で資産を持っている人には買い」なだけであって、日本人の多くには関係のない話です。
同じ理屈で、円は急激に安くなりました。だから海の向こうから見れば「日本のものを買うなら今!」なわけです。東京や京都では多くの人が実感していると思いますが、観光客が押し寄せてきていますよね? 銀座のDover Street Marketあたりに行けば、山のような買い物をしているのはだいたい日本人ではありません。
同じことが株式相場でも言えます。もっとひどい、ということもできますね。なんといっても、国がわざわざ年金基金の一部を株式相場に投入すると大々的に発表したんですから。日本の成人ほぼ全員が払ってきた年金です。その運用額の半分が株式市場に順次投入されています。ちなみにこの運用資金は129兆円。規模が大きすぎてなんだか想像がつきませんが、大量に買いが入るとわかっている=値段が上がると去年の発表の時点でわかっていたわけです。
国による円安+株の値上がり確定、とくれば、外から見れば当然、割安感が続くうちは買いが入ります。だから日経平均は上がり続け、ついに2万円台を突破しました。
ヤフオクで言えば、仮にSupremeとDior Hommeのコラボモデル(そんなものはない)が2、3割安く変えて、しかもプレミアついて値上がり必至!てなところでしょうか。お金あったら買うでしょう?
この場合、我々日本人は売る側です。
売っているものは、株式や不動産です。
……あれ、昔、日本ってロックフェラーとかなんかものすごいもの買ってませんでしたっけ?
それで日本警戒論が一瞬盛り上がってませんでしたっけ?
いまや完全に逆です。
日本の経済や社会の基本になる資産を、海外勢に大安売りで売りまくり目先の株式指標だけが上がればそれで良いという、政策というのもおこがましい経済が現実に推し進められています。買われるだけならまだしも、これは実態の成長を伴わないバブルです。どこかのタイミングで必ず「売り」が入り、一斉に暴落する時が来ます。その時、公的年金も、あなたが買ったマイホームの価値も、なにもかも吹き飛ぶことになる。
アベノミクスはほんとうの意味で「国を売る」政策でしかなくなっており、消費増税で実現するはずだった財政健全化2ももう諦め気味。日本銀行が発表する「短観」という景気動向などの報告も、実際の数字より希望的観測の度合いが強まっています。
この時点で、もう、既に日本の没落はほぼ確定しているでしょう。
ぼくらがこれをひっくり返すには、社会の仕組みをひっくり返して、わけのわからない規制や関税などのコストをなくし、新しい産業を興しまくってどれかが当たることに賭けるしかない。でも、そこをしっかりと考えることはしないで、戦争をして一部の大企業に利益を出そうとしているのが安倍政権。
僕らから見たアベノミクスの失敗は、ごくごく一部の人にとっては成功なのでしょうね、現実に。
- 月平均では2013年11月ごろ
- 国の借金漬け体制を改善することですね。